盤上に散る (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2019年1月16日発売)
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本棚登録 : 230
感想 : 23
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「盤上のアルファ」に登場した真剣師・林鋭生にスポットを当てた後日譚。前作が面白かっただけに期待値が高かったのですが……

個人的に塩田作品の良さは、キャラ同士の軽妙なやり取りにあると思っています。しかし、本作にはそれが見られなかったため、とても残念。主人公・明日香が真面目なキャラのためか、リアクションやセリフの返しが普通過ぎる印象。

ヤンキーあがりの達也は良い感じでいい加減・ヤンチャなキャラなので、そちらのふるまいに期待したのですが、前作の秋葉・真田に比べるとインパクトが弱く感じます。

そして、肝心の林鋭生のお話にさほど引き込まれなかったことが、本作を前作ほど楽しめなかった大きな要因。彼が将棋に入れ込む行動原理にピンときませんでした。

中盤に出てくる駒師の正体は少し意外でしたが、全体の評価を覆すほどではなく……

著者としては新たなチャレンジをした作品だったのかもですが、私には響きませんでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年3月30日
読了日 : 2019年1月24日
本棚登録日 : 2019年1月27日

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