111108さんおすすめの笹さんの歌集を探していたら新しめのこちらがあったので図書館でお取り寄せ。
『混ぜるな危険』的な発想で、水野しずさん絵で、なんともいえない化学反応を起こして何度か読み返し見返す世界観。
笹さんのお言葉をお借りすると『恋を応援する力と失恋を癒す力の両方が宿っている』『恋のお守りになれたら』とのこと。
妄想ラブレターがぶっ飛んでいて、フォントもちゃんと分けている細かさ。
108の短歌、縦にしたり横にしたり色がついたり大小変化したりと型破りすぎです。
こんな歌集みたことない。
どれも良くて選びきれませんが厳選してみます。
「坂道の向こうに海があるはず」と言って告白を5分遅らす
>恋愛に海はつきものですよね。好きな人ができても失恋しても海を見にいっちゃいます
掘り出された土偶の左半身と右半身のように出会った
>あらー、縄文時代にはまってきている今の私にぴったりの歌じゃないですか こんなどっぶりの恋愛素敵
放課後の校舎のような冷たさできみがルージュをひく春の夜
>どういうシチュエーション?!別れのシーンなのかしら
あ、逢引き後のことを終えて身支度を整えているところでしょうか
泡盛で眠剤二粒吞みこんで痛みの夜を早送りする
>楽しい時間は痛みを忘れたいですよね~ でもこの後すごい痛みがやってきそう
怒る君がバッグのチャックを閉めたとき猫の悲鳴の音して夜明け
黒猫とともに石段駆け降りる漫画のようなきみがいた夏
>短歌に猫ってこんなにも魅力的なリズムに溶け込んでいて素敵 今回の歌集に犬はなかったかも
ガーベラを部屋に飾れるうしろ姿が彼方フェルメールの右手を起こす
>字余りだらけだけど許される美しさ
恐竜を組み立てる間の告白も未遂に終わる学祭の夢
>学生時代のイベントの高揚感、片想いしているときのドキドキ感が伝わってきます いいなあ
君からのメールがなくていまこころ平安京の闇より暗し
>笹さんの作品だったんですね!とても好きな歌
- 感想投稿日 : 2022年7月19日
- 読了日 : 2022年7月19日
- 本棚登録日 : 2022年7月19日
みんなの感想をみる