釜ケ崎と福音――神は貧しく小さくされた者と共に (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店 (2015年2月18日発売)
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感想 : 5
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のっけから、わたしはフリをしてるだけだった、という筆者の告白が続く。
うん。宗教者(信徒含む)ってホントに信じてるのか、信仰してるフリをしてるのか、よくわからないことがある。

それでも、わたしには何人か信頼できる宗教者はいて(その中には不可知なものを肚の底から信じてる人もいれば、そうでない人もいる)、そういう人に出会えてわたしはラッキーやな〜、とは思ってる。
そこに、この人の名前も入れてもいいかも(もし、ご本人にお会いする機会があったら、の話だけど)、と思わせる本。フランチェスコに影響されたわたしとしてはフランシスコ会の方だというのもツボ。
(余談だけど、南直哉さんが若い頃クリスチャンになろうとして、当時心酔してた神父さんだか牧師さんに「信仰というのは人を信じることではない。神を信じること」とバッサリ切って捨てられたというハナシもかなり印象的だった。)

この人は徹頭徹尾 神と聖書(広く定着している聖書協会の和訳ではなく原典)を信じていて、現実の中でそれを解釈し信仰を深めていく。というより確信を持っていく。というか、それまでの信仰を改めていく(ただこの人の聖書の読み方は正しくないとねちこくブログで検証している人もいることを後から知った)。

ともかく、「利他」とは何なのか、深く考えざるを得ないところに追い込まれます。善良な人は読まないほうがいいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月31日
読了日 : 2020年1月31日
本棚登録日 : 2023年1月31日

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