3、4回目だと思いますが、それだけこの奇妙な描写に浸りたくなることがあるっつーわけです。改めて読んでみると、グレゴール氏こそが正常な判断力を失っていくことがよくわかるけれど、これは孤独(を一歩超えた、自己を客観視し働く厭世的な生き方)を実践しているカフカの怜悧な自己分析にも感じられ、これは現代のひきこもりをめぐる家庭のあり方にも通じる部分がある気がするね。だから、本書は突拍子もない物語では決してない。社会的な作品だと思います。そして、臭いものに蓋をする皮肉めいた最後のシーンは、まるでブルー・ベルベットのようだね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年1月31日
- 読了日 : 2018年1月31日
- 本棚登録日 : 2018年1月31日
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