ねずみとくじら (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

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陸にすむちいさなねずみと
海にすむ大きなくじらの友情物語。

ねずみのエーモスは海が大好き。
ものすごく頑張って、冒険に出たのに、海は大変だった。
夢をかなえるのは大変なのだ。

そんな時、目の前に現れたくじらに、
エーモスは、
もう冒険はたくさんだから、ごめんどうでなかったら、
うちへかえしてもらいたいと頼む。
諦めもまた大切。

この出会いが、くじらのボーリスとの友情のはじまりとなる。

体の大きさも住むところも違うふたりが、なぜ友だちになれたか。
それはたくさん話をしたり、
いっしょの時間を持ったからだと思う。
尊敬しあうようになったふたり。
でも住む世界が違う。

「さよなら、なかよしのくじら」
「さよなら、なかよしのねずみ」

どうすることもできない運命もあるのだ。
別れても幸せに生きていける。

最後のお別れでお互いの名前を呼ばない。
「さよなら、なかよしのくじら」
「さよなら、なかよしのねずみ」
英語文がどうなっているかわからないが、
「くじら」「ねずみ」と呼び合うのは、
くじらのボーリスはねずみのエーモスが好き、
ねずみのエーモスはくじらのボーリスが好きということだと思う。

くじらだったらよかったのに、
ねずみだったらよかったのにとは考えない。

「さよなら、なかよしのあなた」

さよならだけどさよならじゃない。
ぜったい忘れない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本(海外)
感想投稿日 : 2012年5月7日
読了日 : 2012年5月5日
本棚登録日 : 2012年5月5日

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