室生犀星の小説・詩から、魚に関わるものを選び出したアンソロジー。その核になるのは、晩年に著された「蜜のあはれ」「火の魚」だが、編集が非常にうまくできているので、最初から最後まで順に通読することを勧めます。冒頭の「蜜のあはれ」の前半あたりでは、ただの変態小説かと思いきや、読み進めるにつれ、これはすごいかも、と思いはじめました。生と死、エロスとタナトス、生き物の業(ごう)。著者が描こうとしているものは一貫しています。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年5月4日
- 読了日 : 2012年5月4日
- 本棚登録日 : 2012年5月3日
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