盤上のアルファ

著者 :
  • 講談社 (2011年1月6日発売)
3.60
  • (30)
  • (102)
  • (84)
  • (17)
  • (2)
本棚登録 : 475
感想 : 110
4

 新聞記者と将棋指し。偶然であった2人が化学反応して突き進んでいくドラマ。将棋の世界を舞台に、どん底から這い上がろうとする男と、くしくもそれを手助けしてしまう男を描いている。
 文化部に左遷された社会部記者の秋葉、元奨励会員でバイト先をクビになった真田。同い年の2人が、偶然飲み屋で出会ったことから物語が動き出す。棋士になるため、年齢の壁を越える特別な制度をねらった真田は、秋葉の家に転がり混み、勝負をかける。
 2人をつなぐ女性の振る舞いも上手。三角関係の行方は想像してたが、ちょっと斜め上をいく展開で面白かった。まあ、秋葉のへたれさが浮き立ちますが、逆に男ってこんなもんだよな、と共感を誘う。
 著者が現役の新聞記者というのも面白いところ。今後の活躍に期待してます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2011
感想投稿日 : 2011年3月30日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年3月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする