食がわかれば世界経済がわかる (文春文庫 さ 42-3)

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  • 文藝春秋 (2008年6月10日発売)
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かつて世界の"食"の生産と流通を押えたことで覇権を握ったイギリス。そして、加えて大量生産、大量消費を立ち上げることで、それに代わったアメリカ。両国に共通するのは、"食"を"資源"と考え、徹底的な効率化、合理化を図ったことであった。しかし、強大なまでに工業化された"食"は、世界に新しい脅威(狂牛病、O-157等)をばらまき、ファストフードと、ジャンクフードは子供たちの糖尿病予備軍を増やし続けている。ここにきて、"食"を"文化"と考える、アジア・ラテン系、特に日本の"食"に注目が集まっている。世界勢力図が大きく東に回帰する現在、安全、健康を志向する"食"もまたリオリエントの潮流の中にある。簡潔ながらも興味深い論考。

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感想投稿日 : 2013年3月10日
読了日 : 2013年3月7日
本棚登録日 : 2013年3月9日

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