読書録「皇帝ネロの密使(上)」3
著者 ジェームズ・ベッカー
訳 荻野融
出版 竹書房文庫
p19より引用
“ 現在でいうバチカンの丘にあったネロの
庭園は、彼がローマの第一の敵と見なしてい
た初期キリスト教に対して残虐行為を行うた
めのお気に入りの場所だった。”
ヨーロッパを舞台に、古代に残された謎の
言葉をめぐり繰り広げられる、アクションサ
スペンスミステリ長編小説。
紀元一世紀、ローマ兵が手慣れた様子で磔
刑を執り行っている。刑の執行を見届けた将
軍が、天幕の前に戻ったところ、百人隊長か
ら新たなる報告が入った…。
上記の引用は、紀元67年ごろのローマの様
子を描いた一節。
このような因縁のある場所が、現在のカソリッ
クの総本山となっているのは、なんとも複雑
な事です。亡くなった多くの教徒を弔うため
なのかもしれませんが。
ヨーロッパという、国境が地続きである場
所ならではの描写が、日本を舞台にした小説
とは一味違って、スケールの大きさを感じま
す。
古代ローマ、キリスト教の歴史に詳しけれ
ば、より面白さを感じることが出来そうな作
品です。
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読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
さ行
- 感想投稿日 : 2019年7月28日
- 読了日 : 2019年7月28日
- 本棚登録日 : 2019年7月28日
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