薔薇十字叢書 ヴァルプルギスの火祭 (講談社ラノベ文庫)

著者 :
  • 講談社 (2015年10月30日発売)
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本棚登録 : 81
感想 : 11

京極堂の面々の孫たちが活躍するシェアードワールドもの。
時代をずらしたことや中禅寺や榎木津の性別を変えたことは
功を奏しているかどうかは別として、許容範囲だと思う。
懸案の「妖怪成分」も、私の専門と言ってもいいキリスト教
に関係して「魔女」を取り扱うことで、妖怪ではないが一応
の及第点に達していると思う。

ただこの本では肝心のオチの部分があまりにもご都合主義で
そこが残念。「あの話」の変奏曲とでも言える内容だが、
二重三重に備えのあったあの話のオチに比べ、こちらは無理
がありすぎると思う。このオチを成立させるために張り巡ら
さなければならない糸の量は、とてもこの程度の文庫本には
納まりきらないと思われ。

いや、なかなか一長一短ですな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年9月2日
読了日 : 2019年9月1日
本棚登録日 : 2019年9月2日

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