京極堂の面々の孫たちが活躍するシェアードワールドもの。
時代をずらしたことや中禅寺や榎木津の性別を変えたことは
功を奏しているかどうかは別として、許容範囲だと思う。
懸案の「妖怪成分」も、私の専門と言ってもいいキリスト教
に関係して「魔女」を取り扱うことで、妖怪ではないが一応
の及第点に達していると思う。
ただこの本では肝心のオチの部分があまりにもご都合主義で
そこが残念。「あの話」の変奏曲とでも言える内容だが、
二重三重に備えのあったあの話のオチに比べ、こちらは無理
がありすぎると思う。このオチを成立させるために張り巡ら
さなければならない糸の量は、とてもこの程度の文庫本には
納まりきらないと思われ。
いや、なかなか一長一短ですな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2019年9月2日
- 読了日 : 2019年9月1日
- 本棚登録日 : 2019年9月2日
みんなの感想をみる