謎も謎解きもしっかりとある少しSF風味の入ったミステリ
なのだが、この本のキモはそこではないと思う。
物故した作家の、記憶までも完全にコピーしたクローン体─
リクローン─を、蔵書ならぬ「蔵者」として図書館に収蔵
するということが実現したら一体どういうことになるのか。
そしてそんなことが起こる社会とはどのようなものなのか。
そういう一種の思考実験がこの本の面白いところなのでは
ないだろうか。
もちろん素直にミステリとして読んでも十分に楽しめるの
だが、さすがはジーン・ウルフ、エンタメ寄りでわかり
やすい作品でありながらいろいろと考えさせられる内容で
あった。本を大切にしよう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー・SF
- 感想投稿日 : 2019年7月15日
- 読了日 : 2019年7月11日
- 本棚登録日 : 2019年5月6日
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