書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 早川書房 (2017年6月22日発売)
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本棚登録 : 382
感想 : 32

謎も謎解きもしっかりとある少しSF風味の入ったミステリ
なのだが、この本のキモはそこではないと思う。

物故した作家の、記憶までも完全にコピーしたクローン体─
リクローン─を、蔵書ならぬ「蔵者」として図書館に収蔵
するということが実現したら一体どういうことになるのか。
そしてそんなことが起こる社会とはどのようなものなのか。
そういう一種の思考実験がこの本の面白いところなのでは
ないだろうか。

もちろん素直にミステリとして読んでも十分に楽しめるの
だが、さすがはジーン・ウルフ、エンタメ寄りでわかり
やすい作品でありながらいろいろと考えさせられる内容で
あった。本を大切にしよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー・SF
感想投稿日 : 2019年7月15日
読了日 : 2019年7月11日
本棚登録日 : 2019年5月6日

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