生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)

  • 春秋社 (2015年7月24日発売)
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感想 : 6

この本の意味するサイボーグとは普通思い浮かべるであろう
009やケーブルやバイオニック・ジェミー(例えで歳が
わかるな(苦笑))のような「身体的」なそれではない。
人間の脳は大きな可塑性を持ち、外部に向かって開かれて
いるシステムであり、使用する道具や環境を自らの一部と
して取り込んでいく特製を元々持っている。人は生物的な
脳と非生物的な回路とにまたがった心と自己を持つシステム
であり、その点を指してサイボーグと称しているのである。

その昔、足繁くゲームセンターに通い、ゼビウスという
シューティングゲームを毎日のようにしていた頃、ゲームの
中の戦闘機が直接腕に繋がっているような感覚を身をもって
体験したことがあり、著者の主張は実感として感じることが
できた。認知科学論の佳作である。

ただ、2003年の著作であり、少し古く感じてしまうことは
否めない。もっとも、訳者がしっかりした後書きでフォロー
しているのでその点はご心配なく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2017年1月18日
読了日 : 2017年1月19日
本棚登録日 : 2017年1月15日

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