「ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (S・J・グールド)」からの流れで本書を手に取った。
いわゆるカンブリア爆発というのは、エディアカラ紀とカンブリア紀の地層を比較し、カンブリア紀の地層に多くの生物の化石を認めることからそう呼ばれているが、そもそもエディアカラ紀の生物はまだ軟体性で化石に残りにくく、カンブリア紀はその身体が硬質化したため化石に残っている生物が多いという。
ではなぜカンブリア紀の生物が硬質化したのか、①大整合により地中の化学成分が海中に溶け出し硬組織を作る材料が増えたという説、②眼の誕生が生物の多様性に拍車をかけたという「光スイッチ説」(「眼の誕生―カンブリア紀大進化の謎を解く」(アンドリュー・パーカー))に言及されている。
本書は「ワンダフル・ライフ」が刊行されてから20年ほど経過しており、その間にも新種生物の発見や新たな進化に対する考え方など古生物学、地質学のアクティブさが伝わってくる一冊だ。
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- 感想投稿日 : 2021年8月22日
- 読了日 : 2021年8月22日
- 本棚登録日 : 2021年8月22日
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