なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか: 変わりゆく死刑基準と国民感情 (幻冬舎新書 も 6-1)

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  • 幻冬舎 (2011年5月1日発売)
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日本では昨今、死刑基準に変化が生じている。国民の誰もが死刑裁判に立ち会う可能性がある今、妥当な死刑判決はあり得るのか。戦後の主だった「死刑判決」事件を振り返りながら、時代によって大きく変わる死刑基準について考察する(表紙カバー)。

本書は実にシンプルな構成となっている。第1章では、戦後日本のめぼしい死刑事件の解説により、時代の変遷とともに死刑判決が異なっていることを示している。第2章では、議論の取っ掛かりとなる現在の死刑判決の基準の解説をしている。第3章は死刑判決の根底にある人間観、社会観について述べている。そして最終章はこれまでの議論から、死刑判決に正義があるのかということを読者に問いかけている。

本書は私が大学1年(2011年)のとき、死刑制度についての論文を執筆するために購入したにもかかわらず読み損ねて、積読状態になっていた本である。しかし本書を読んでみると、それが悔やまれるほどに目から鱗の内容だった。

裁判員制度が始まり、国民の誰もが死刑判決の判断を迫られる可能性がある。そうした時のために、ぜひ一度は読んでおきたい本である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 320 法律
感想投稿日 : 2014年11月30日
読了日 : 2014年11月27日
本棚登録日 : 2014年11月30日

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