見知らぬ乗客 (角川文庫)

  • KADOKAWA (1972年2月28日発売)
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本棚登録 : 172
感想 : 18
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興味のあったパトリシア・ハイスミス。
こちらはヒッチコックによって映画化もされているらしいが、残念ながらまだ観ていない。
最初は映画を観て知っていた「太陽がいっぱい(リプリー)」を読んでみようと思っていたが、売っていなかったのでこちらを読んでみた。

交換殺人を扱ったサスペンス。
ただ単に交換殺人を行って、捕まるのかどうなっちゃうのかというだけではない。
交換殺人を持ちかける男ブルーノーと列車で出会ったガイ。
ブルーノーは精神的に不安定な男で、ガイが交換殺人を正式に受け入れていないのに勝手にガイの別れた妻を殺してしまう。そしてガイに殺人を迫る。
ブルーノーに振り回され、戸惑いや嫌悪を感じながら次第に精神の均衡を失っていくガイ。
こういった心理をガイとブルーノーの側から描く。

きっとヒッチコックなら上手く映像化させるのだろうなと思わせる。
派手さはないが、ジリジリとした恐怖というか焦燥といったものが味わえる。
大きなトリック(小さなトリックもない)もなく、犯人はわかっているので、ふたりの男の心情を読んで楽しむ作品。

こちらを読んで更に興味を持ったので、最初の予定通り「太陽がいっぱい(リプリー)」を探して是非読んでみたい。
こちらの映画も観てみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年2月23日
読了日 : 2016年2月11日
本棚登録日 : 2015年12月19日

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