本が好き、悪口言うのはもっと好き (文春文庫 た 38-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (1998年3月10日発売)
3.97
  • (23)
  • (25)
  • (25)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 219
感想 : 26
3

この人の著作は『水滸伝の世界』しか読んだことがなかったが、他のエッセイもずいぶん有名らしいので借りてきた。

内容が中国に関わるもののほうがやはり読んでいて面白い。水を得た魚のように語彙もリズム感も冴えてる気がする。

4.「支那」はわるいことばだろうか、5.ネアカ李白とネクラ杜甫が特に面白い。
どちらも学生の時に読んでおくべきだったと思う。大学で中国史を専攻していた割には「支那」の呼び名の経緯をここまで明確に理解していなかったことが今になって恥ずかしい…。

李白と杜甫は高校の漢文のテキストに必ずと言っていいほど名前がでてくるが、そもそも漢文自体が授業でほとんど重きを置かれていないと思う。こういう軽妙で分かりやすいエッセイが授業で使われていたら、彼らの詩や人生、時代背景にもっと興味をもつ生徒が増えたかも。

ただ、言葉についてつらつらと述べている章のほうは、確かにごもっともではあるが、じゃあそこまで言葉の乱れを嘆くなら類語辞典のようにすぐ引いて参照できる誤用リファレンスの発行でも編集者に持ちかけてくれたらよかったのに、と思わないでもない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2013年11月10日
読了日 : 2013年11月10日
本棚登録日 : 2013年10月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする