銀行大統合 小説みずほFG
日本興銀、第一勧銀、富士銀の世紀の大統合の話。ちょうど20年前の1999年のGW、興銀の西村頭取が文字通り音頭を取り、一勧の杉川頭取、富士の山本頭取を巻き込んで、強力なリーダーシップで統合までこぎつけたという話。あくまで小説ではあるが、システムトラブルの原因について、実名で一勧の副頭取・西之原氏を挙げているのは興味深い。大規模システムトラブルは20年経った今も、未だに尾を引く問題となっているが、これまた第一と勧銀の出身行意識の中で、情報提供や試験を徹底していこなっていなかったヒューマンエラーであったと断罪している。いずれにせよ、旧行意識や、システムの中心をどの銀行に置くか等々の人間臭い話もあり、世界一の総合金融サービスという崇高な理念を掲げる中で、みずほFGがいかに人間がハンドメイドで作っているのかというのがひしひしと伝わってくる。ちなみに、冒頭出てくる第一勧銀の近藤克彦・前頭取は私の大学バレー部の先輩でもあり、何度かお話ししたことがある。とてもやさしい笑顔が印象的な方であると以前より感じていたが、総会屋事件等、非常に荒苦しい世界で身心を削られた方であることが、今回の小説を読んでわかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年5月5日
- 読了日 : 2019年5月3日
- 本棚登録日 : 2019年5月3日
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