江國香織でしか書き得ない登場人物達が、毎日を生きている話。
ウエハースの椅子=美しいけれど、座る事の出来ない椅子の例えは本当に、しっくりとくる。
恋人とバスタブで重たいカーテンを洗う、というその言葉ひとつで苦しいほどの幸せが表現されているし、その後に繋がる「誰も自分を本当に芯から理解することは出来ない」という仄暗い(けれど安心な)絶望に繋がっていく気がしている。
作中の彼女のような距離感で世界と生きていきていけたら、ある意味楽なのかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年6月21日
- 読了日 : 2022年6月21日
- 本棚登録日 : 2022年6月21日
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