ヘミングウェイ、カミュに続いて3人目のノーベル文学賞作家を読む。ハンス少年は母が他界し、厳格な父親と祖母に育てられる。彼は無理をしながら難関の神学校合格するが、友人関係のゴタゴタにより勉強に興味をなくし、神学校を退学する。ハンスは他人を蔑むことで精神の安定を得ていたため、退学したことに究極の劣等感を抱く。その後、彼は一度も開花せず人生を終える。厳格な父親の期待に応えることに執着し、また母親の愛情を受けずに育ったハンスの無残な人生には日が当たらず、故に車輪の下での生活という、無力感を突き詰めた作品だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
男の愚かさ
- 感想投稿日 : 2020年9月28日
- 読了日 : 2020年9月28日
- 本棚登録日 : 2020年9月28日
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