大坂堂島新地の天満屋の遊女・初(21歳)が運命の人と出会う。初は姐さんから、男性相手とは恋してはいけないと言われてはいたが、奇麗な顔をした醤油屋の手代である徳兵衛(25歳)に恋をする。激しく、燃えるような恋であった。この徳兵衛が、どうしても金が要るという友人の九平次に3日限りの約束でその金を貸してしまった。九平次の詐欺行為により徳兵衛が窮地になり、初とともに曾根崎の森で短刀による心中を果たす。初の視線から見た徳兵衛への愛おしい心情、遊女の切なさ、強さ、弱さを角田さんは忌憚なく鋭く抉った作品だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
恐怖、ホラー、グロテスク
- 感想投稿日 : 2021年1月4日
- 読了日 : 2021年1月4日
- 本棚登録日 : 2021年1月4日
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