出世と左遷 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2018年4月27日発売)
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本棚登録 : 220
感想 : 19
3

中堅の損保会社に勤める46歳の秘書室次長、相沢靖夫のサラリーマンとしての悲哀を描いた小説。
作者が文庫版あとがきの中で自賛している通り、30年近く前に発表された作品ながら、いまだに新鮮味を持って読めます。それだけこの作品が人間、少なくとも日本人の本質を突いているからだと思います。
社内政治やら忖度の世界に翻弄されつつ、悪戦苦闘する相沢に感情移入してしまうのは、彼の小心者だけど心根が真っ直ぐな、愛すべきキャラクターならではかと。しばらく先まで彼のことをずーっと読んでいたくなるような物語でした。
面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月24日
読了日 : 2019年9月19日
本棚登録日 : 2019年9月19日

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