読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫 ハ 46-1)

  • 筑摩書房 (2016年10月6日発売)
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SNSでちょっとした流行になった「7日間ブックカバーチャレンジ」。
趣旨は読書文化の普及に貢献するためで、好きな本の表紙を1日1冊、7日間投稿するというもの。
外出を控えたいこの頃、なかなかの好企画で、人様の投稿も楽しみながら拝見した。
自分が挙げた未読の書籍をまとめつつ、あわせて名著『読んでいない本について堂々と語る方法』をご紹介。

「7日間ブックカバーチャレンジ」のルール、~好きな本かつ表紙画像だけアップ~ということを生かして、積ん読本シリーズでピックアップしてみた。つまり未だ読んでいないものを選んでみた次第。これならお手軽で、7日間毎日選び続けることができそうだったからだ。

それに名著『読んでいない本について堂々と語る方法』にはこうある。
「書物において大事なものは書物の外側にある。なぜならその大事なものとは書物について語る瞬間であって、書物はそのための口実ないし方便だからである。」

つまり大事なのは本の表紙であると(笑)。他人の書いたブックカバーチャレンジを読んでいると、本は読むものではなくて、その人とその本の関わった背景や理由を楽しんでいることに他ならない。また、その人と作家の解釈という名の対話を読み取って楽しんでもいる訳でもある。だから、本は読まなくても充分楽しめる。そう言う意味でこの「7日間ブックカバーチャレンジ」の「本についての説明はナシで表紙画像だけアップ」というルールは秀逸だと感じた。

『読んでない本について堂々と語る方法』、なんとも不道徳なタイトル。しかし、読み終える頃には、圧巻の理屈と説得力をもって、自らも読んでない本を語ろうとし、大団円を迎える知的サスペンス。壮大な読書のメカニズムを説き明かす羞恥心なき果敢な試みに拍手喝采であった。

とにもかくにも、本書は読書行為なるものを掘り下げまくり、面白くて一気に読破した。著者はパリ大の先生、しかも文学部。なのにこのタイトル(笑)。

『読書は神聖にして、神聖とされる本を読まねば人に軽んじられる / 飛ばし読みや流し読みは軽蔑の対象、プルーストを流し読みしたという文学者はいない / 本を読まなければ、その本について語る資格がない』以上が読書の3常識。この常識を恥ずかしげもなく覆し、著者は、読書という行為について語りまくる。

詳細はコチラ↓
7日間 ブックカバーチャレンジ まとめ / 『読んでない本について堂々と語る方法』 ピエール・バイヤール 著を読む
https://jtaniguchi.com/7%e6%97%a5%e9%96%93%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%ab%e3%83%90%e3%83%bc-%e8%aa%ad%e3%82%93%e3%81%a7%e3%81%aa%e3%81%84%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e5%a0%82%e3%80%85%e3%81%a8/

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文化
感想投稿日 : 2022年3月12日
読了日 : 2022年3月12日
本棚登録日 : 2022年3月12日

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