ブリューゲルと季節画の世界

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  • 岩波書店 (2022年8月30日発売)
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5

ピーテル・ブリューゲルの研究書。ブリューゲルファンとして、とても面白かった。そして、これから鑑賞する上で、かなり参考になると思う。
1章、北ヨーロッパの彩色写本、聖務日課書と時禱書の月暦行事と農事について、1月から12月まで、とてもわかりやすく述べられていて、とてもプラクティカルでユースフル。
2章、16世紀ドイツの月暦版画、ハンス・ゼーバルト・ベーハムと工房・追随者、ヴィルギル・ゾーリス、フランツ・イザーク・ブルン、ヨスト・アマン。各月暦版画シリーズ比較。
3章、16世記の都市の市民生活月暦。ルーヴェン月暦画付き天文時計、画像内容分析、。周縁の七惑星の子供達と黄道十二宮との関係。連作「アウグスブルクの月暦画」、製作者制作年代、前例となったイェルク・ブロイ(父)の下絵素描、作品分析。
4章、諺に読む16世紀北ヨーロッパの月暦図像
5章ブリューゲルの二素描春、夏とフランドルの月暦図像の伝統。写本版画との比較、三月造園、棚や籠用の木の枝の伐採、枝集め。四月、羊の毛刈りと放牧、市民の「庭園での愛の語らい」。5月、園遊と舟遊び、森の散策、ピクニック。六月、野菜や果実の収穫、羊の毛刈り。七月、干し草の収穫と収納、休息。八月、穀物の収穫。
6章、連作「季節画」(1565)
注文者ニクラース・ヨンゲリンクの別荘。フローリスとブリューゲルの対峙。作品に関する書類。作品数や月の同定など議論。グランヴェル枢機卿との関係。各画面構成と農作業への観察眼。書く場面、スポット毎の表現の説明。
7章 ポストブリューゲルの月暦画、ブリューゲル様式と影響
アルクマール逸名画家の連作。ヴァン・ヴァルケンボルフ兄弟、マールテン・デ・ヴォス。ハンス・ボル。ヤン・ヴァン・デ・ヴェルデ2nd。コルネーリス・デュサルト・ベネディクトボイエルン修道院
ちょっと高額なので、とりあえず図書館で借りたが、
これは良い。必要に応じて閲覧するのもありだが、
タイミングがあれば、購入も考えたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 芸術
感想投稿日 : 2023年3月25日
読了日 : 2023年3月25日
本棚登録日 : 2023年3月25日

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