第一次世界大戦 (ちくま新書 1082)

著者 :
  • 筑摩書房 (2014年7月7日発売)
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第一次世界大戦開戦から100年にあたる2014年に多く出た関連本の一冊。軍事的な動向を中心に、大戦の概要がコンパクトにまとめられている。

「おわりに」によれば大戦がもたらしたものは以下のようである。
・列強中心の国際関係は否定され、対等な国家からなる国際関係(国際連盟)へと移行した。
・多民族帝国が崩壊し(ロシア、オーストリア、オスマントルコ)、国民国家への移行が進んだ(民族自決権の承認)。
・戦争に動員され、多大な負担を求められた国民は、義務に見合うだけの権利を求め、国家もそれに応じざるを得なかったため、ここに国民参加型の国家が成立し、福祉国家への道が拓かれる。また、戦時下においては戦場に出た男性の穴を埋める形で女性の社会進出が進んだ。
・ヨーロッパは思想的にも経済的にもその地位を低下させた。
・大戦という強大な暴力行使は、政治文化を暴力に対して寛容にした。

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感想投稿日 : 2016年12月24日
読了日 : -
本棚登録日 : 2016年12月24日

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