手にとった時はもう少し奇を衒った様なものを想像していたが、立派な化学の本でした。先史人類に発生した分裂病的性質が、食生活の変化や遺伝によって、現在でいう「分裂病」に、さらに産業革命以降の食生活により症状が深刻化したという。著者は考古学的な資料と科学的な知識に基づいて仮説を立て、臨床実験でも成果を上げたそうで、将来「統合失調症」が治せるだけでなく、本書ではさらに踏み込んで「破壊的な症状だけを抑え、クリエイティブな面を残す事が出来るかも知れない」と希望を持っている。科学は進歩している。それもこの病気と同じく脳の働きなんだなぁ。言葉は難しかったけど、読み甲斐があった。
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- 感想投稿日 : 2005年2月5日
- 本棚登録日 : 2005年2月5日
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