櫂 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1996年10月30日発売)
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本棚登録 : 670
感想 : 64
4

しんどい…ここのまま途中で寝たら救いがないと思って最後まで読んだけど、最後の最後に救いがなかった…。ずっとものわかりよく反論もしない喜和が、でも溜め込んだ気持ちを吐き出そうとするとついものの言い方がきつくなって不必要に家族を苛立たせてしまうの、なんか分かるなあぁ。なぜ気持ちを汲んでくれないのだろうと悲しむ喜和さんの気持ちが切ない。
終盤、綾子が刀持ち出す辺りでスッとしたけど。読者的にも、綾子の存在が救いでした。

この時代の女の生きざまなんてこんなものだと言われればそうなのかも知れないけど…岩伍ひどすぎる。
祖母のおばに当たる方が喜和という名前で、日清戦争で夫をなくしてから弟の家に身を寄せて二階で隠居生活をしていたとか、祖母のおばであり養母でもある人は 酒屋に嫁に行ったけど長男生んだら追い出されて実家に出戻っただとか、小さい頃聞いたそんな昔話がリアルに蘇ってきました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説/ 日本
感想投稿日 : 2017年9月28日
読了日 : 2017年9月27日
本棚登録日 : 2017年8月20日

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