原発・放射能 子どもが危ない (文春新書)

  • 文藝春秋 (2011年9月16日発売)
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感想 : 20
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友人が貸してくれました。
小説でもなにのに、新書を読んで泣きそうになるなんて初めて。小出先生がどんな思いで反原発を訴えつづけてきたのかがひしひしと伝わってきました。
少なくとも私は、政府や原発賛成派の人たちの「福島原発の事故は収束している」だとか「放射性物質があったとしてもただちに影響はない」だとかいう言葉より、小出先生の「もうすでに日本中が放射能に汚染されていて、私たちは汚染された世界を受け入れて生きていくしかない」とか「もはや完璧に汚染されていない食品だけを食べ続けるなどということは不可能」という言葉の方がずっと信じられる。それは本当に信じたくないような事実だけど、でも今ここにいる私たちが受け止めないで、次の世代に問題を先送りにしてどうする。
この期に及んでなお「原発存続もやむを得ないんじゃない?」とか「反原発はいいけど、じゃどうするの?」とか言ってる人たちに言いたい。あなた方がそうおっしゃるのは自由だけど、そのために私や、未来の子どもたちや、人間以外の動物たちの命を脅かすような権利は、あなた方にはない。
原子力を人間の力で制御できると信じるなんて、人間の驕りか、思考力か想像力が足りていないか、だと思う。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 災害・震災・原発
感想投稿日 : 2013年4月8日
読了日 : 2013年4月7日
本棚登録日 : 2013年4月7日

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