安定安心の佐藤雅美シリーズ。独立した短編8話だけど、へこたれない山本庄蔵や夢見る内藤夢之助、嵐月の久太郎などがあちこちに顔を出して全体の一体感と興趣を高めている。しかし本巻の一番の主役はなんといっても文吉改め剣持忠三郎だろう。子供の頃からきっぷのよさはピカ一だったけれど、14歳になって相応の分別がともなうようになって男ぶりが上がった。「それぞれの思いやり」のシーンなんて泣けるねえ。全作を通じていつもより人情味が色濃いように感じたが、久しぶりの紋蔵シリーズだからかな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2017年7月20日
- 読了日 : 2017年6月28日
- 本棚登録日 : 2017年7月20日
みんなの感想をみる