武士道ジェネレーション

著者 :
  • 文藝春秋 (2015年7月30日発売)
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感想 : 255
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 シリーズ4作目。香織、早苗らの高校卒業とともに終わるはずだった青春剣道小説が好評に応えて追加した、ものかな。早苗は結婚して家庭に入り、香織は桐谷道場の手伝いになった。ライバル黒岩も健在だが全日本とかの試合の話はほとんど出てこない。桐谷先生の体調がよくなくて道場の後継をどうするか、ということで早苗の旦那になった沢谷氏か香織かという話になるのだが、当の桐谷先生がうんといわない。そこには奥深い事情があって、シカケとオサメ計100本の奥義の香織への伝達という流れがメイン。そこへ沢谷氏の友人のジェフの入門と香織の指導する中学生たちの奮闘がからみになっている。香織と早苗の心象が交互に綴られていくところは昔通り。試合描写はほとんどないけれど、勝手知ったる登場人物たちはみんな相変わらずでそれなりに楽しめるし、最後のあっと驚く香織の重大発表には笑える。難を言えば、幹になる道場後継とシカケオサメの関係がいまひとつはっきりしないまま終わってしまったところか。ミステリではないから全部説明する必要はないのだが、ちょっと気になる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 現代小説
感想投稿日 : 2016年10月16日
読了日 : 2016年10月8日
本棚登録日 : 2016年10月16日

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