見知らぬ乗客 (河出文庫)

  • 河出書房新社 (2017年10月5日発売)
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本棚登録 : 283
感想 : 21
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 なんとなく見覚えのある著者名。読んだことあるようなないような。ブクログにはないのであるとしてもずっと昔で、おぼえていないのだろう。偶然夜行列車に乗り合わせたガイとブルーノ。ひょんなことからお互いに殺したいと思っている相手がいるとわかり、交換殺人の幕が開く。実際はそんなに単純な話ではないが、基本的にはそういうストーリーだ。似たような話は他にもありそうだ。事件そのものはスムーズに行われたものの、いずれ探偵の捜査によってばれてしまうので、倒叙物としてもミステリ的興味は薄いが、2人の揺れる内面描写、特にブルーノに引きずられて深みに墜ちてゆくガイの心理的葛藤が読みどころだろう。しかしいくら大きな借りができたとはいえ、ブルーノにいいように操られるガイがちょっと不自然では。知らぬ存ぜぬで突っぱねるかそれこそ訴え出ればいいのに。まあそれでは小説にならないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリ
感想投稿日 : 2023年12月18日
読了日 : 2023年12月4日
本棚登録日 : 2023年12月18日

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