深い疵 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2012年6月22日発売)
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本棚登録 : 678
感想 : 96
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 これもドイツもの。当地では大人気シリーズという警察小説。高齢ユダヤ人の連続殺人事件と思いきやなんとロシアとナチスドイツがからむ積年の報復処刑という深い背景があった。表面的な事実から真相をたどるのはオリヴァーとピアを中心とする刑事グループ。体裁だけを繕う無能上司やら一癖も二癖もある同僚たちなど鉄板の構成。二人の息の合った捜査ぶりもまずまずで警察小説としては及第点。ミステリとしてもあまりにも意外な殺人者の正体と引き裂かれた人間関係の悲痛さ、そして最後の息詰まる対決と見どころ十分で高評価。「ハイニ?」「ここだよ母さん」、結末の悲しいヒューマンドラマには思わず落涙した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリ
感想投稿日 : 2019年3月2日
読了日 : 2019年1月31日
本棚登録日 : 2019年3月2日

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