ドイツミステリの雄、ネレ・ノイハウスの二作目。無実の罪に陥れられて服役し故郷の村に帰ってきたトビアスを迎える村人たちの異様な冷たさ。はたして11年前の事件の真相は。そして新たに起こる事件。一癖も二癖もある住人たちと彼らを牛耳る実業家、政治家、医者たち、はたまた孤立無援のトビアスを助ける幼なじみの女優、などなど多彩な登場人物がみんなして何らかの形で本筋にかかわっていて、何が何だか混乱する。もう、みんなが主役。いかにも怪しげなのは端役で一見親切そうな理解者が真っ黒だというのはありがちな筋書きなので何が起こっても驚かないが、さすがにこれはやりすぎではないか。そこへ加えて事件とは無関係な警察署内部のスキャンダルに主役であるピアとオリヴァーの深刻な家庭事情。目まいがしそう。いろんなエピソードを盛り込むのもいいが、もう少し公私の重みづけを整理して書いたらどうかね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリ
- 感想投稿日 : 2019年4月1日
- 読了日 : 2019年3月22日
- 本棚登録日 : 2019年4月1日
みんなの感想をみる