理系のための「即効!」卒業論文術―この通りに書けば卒論ができあがる (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2010年1月21日発売)
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感想 : 40
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【1行説明】
(タイトルのまんま)

【趣旨】
主にこれまで論文のような系統だった長い文章を書いたことのない学部生に向けて,卒業研究の着手(テーマ決定)から卒論執筆,研究発表まで気を付けるべき点や知っておくとよいことを紹介している本.

【引用文3つ】
1. (p.68) やさしくシンプルに書く
文章はわかりやすくなければいけません.論文をかっこよく高尚に見せたいがために,難解な専門用語や,珍しい感じをあえて使う人もいますが,そのような「こけおどし」をしてはいけません.
2. (p.70) 学術論文が備えるべき内容
・他人のまねではない新規なアイディアがメインの主張であること
・何の問題を,なぜ解くのかが述べられている事(第一章:序論,背景)
・どのように解くのがよいのかが述べられている事(第二章:提案手法)
・その解き方はなぜ可能なのかが述べられている事(第三章:実験手順)
・十分な証拠が示されている事(第四章:実験結果)
・総括と自己評価が与えられている事(第五章:結論)
・文章の各部が,互いに分業し協力するように組織立っている事
3. (p.140) 書きやすい順に書け
 文章は,書きやすいところから書くべきです.内容が決まっていてあとは書くだけのところや,レトリック上の工夫が不要で淡々と書けばよいところなどから先に着手します.(中略)書きやすい順とは,一般的には次の順になります
①謝辞
②証拠提示(実験報告)の第四章
③解決方法の可能性論証の第三章
④参考文献リスト
⑤解決方法選定の第二章
⑥問題設定(序論)の第一章
⑦結論の第五章
4.

【感想】
多くの学生にとって,卒論というのは人生で初めての論文執筆であり大変な作業になると思う.
しかるに,研究室での指導体制は整っておらず,「とりあえず書け.そしたらダメ出しするから」という状態なのではないだろうか(少なくとも私の場合はそうだった).
右も左もわからないままとりあえず論文を書くよりも,先人の知恵を借りた方が効率的であると思い,「卒論の書き方」についての本を探したが,この一冊しか見つからなかった.
しかし,この一冊でも十分なほどに卒論(もっと言えば論文全般に共通する)執筆に必要な心得を学ぶことができたと感じている.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2023年1月18日
読了日 : 2023年1月18日
本棚登録日 : 2023年1月18日

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