かつをぶしの時代なのだ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1993年5月20日発売)
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本棚登録 : 252
感想 : 10
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『気分はだぼだぼソース』につづく初期のスーパーエッセイ。
『ブルータス』誌や『翻訳の世界』誌に掲載されたエッセイをまとめたもの。
作家として独立する前の業界紙にいたころの作品。
原稿代でよく飲みに行ったそうな。
業界紙の堅苦しい文章でたまった鬱憤を、
好き勝手に書いて晴らすこともできるし、
副収入も入るしで、趣味と実益を兼ね備えたうらやましい副業だったのであった。

「かつをぶしとダイコンオロシの極致的状況は素晴らしい」
「不倫の人妻は餃子のラー油と白桔梗の花が嫌いです、と言った」
「大相撲はマホービンに負けてよいのか」
「憎しみのタクシーが愛に変わるときおれは熱い吐息でウッフンと言った」
「気がつくと目の前の海綿体状の行列はサラリーマン人生そのものだった」

各エッセイのタイトルをちょっとだけ抜き出してみた。
これらを眺めているだけでも、シーナ・ワールドの片鱗が伝わってきて
ああ、読みたい!と身もだえしてきませんか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2014年3月9日
読了日 : 2008年5月10日
本棚登録日 : 2014年3月9日

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