ゴールドマン・サックスのシニアパートナー、クリントン政権時の国家経済会議委員長、財務長官、シティグループの経営執行委員会会長など、華々しいキャリアをもつロバート・ルービンの回顧録。
わしの胸に響いたのは下記のくだり。
「仕事一途の度が過ぎると仕事の虜となり、ひいては自分の上で権力を持つ者の言いなりになる。一方、仕事がすべてではない人間は、身の引き方を知っており、精神的にも独立している」
「ゴールドマン・サックスに入った当時は、もちろん政権入りした頃のような経済的な余裕もなかったが、それでも、いざとなったらここを辞めてまったく違う人生を歩めばよいのだと気軽に考えていた」
「こうした割り切りのおかげで、独立心を保ち自由な考えを述べることができ、数々の重圧を切り抜けられた」
「どこに身をおこうと自分自身は変わらないのだから、己の本質を見極めることが肝心なのだ」
これらは、第11章『ワシントンを去る』の終盤に出てくる記述。
これらの文章に出会えただけでも、この本を読んだ甲斐があった。
「確実なものは何もない」という彼の蓋然的哲学とか、彼の功績とか、アメリカ経済・政治の難しさとかは本書を読むなり、アマゾンのカスタマーレビューを参考するなりしてくださいです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2014年2月23日
- 読了日 : 2014年2月23日
- 本棚登録日 : 2014年2月23日
みんなの感想をみる