松下幸之助という人間は、ある意味で可哀想な人だと思う。
しかしそれを本人が望んでいるという点で、羨ましい人だと思う。
経営の神様。
高度経済成長の神様。
そう拝められて、ある意味で本人もそれを受け入れていた気がする。
松下正治氏の会長就任のタイミングですら、モンスターエンジンではないけど「暇を持て余した神々の遊び」って感じがするもんな。
たぶん、松下幸之助自身は経営が傾くにしろ、それが所謂パナ加盟店の甘えって知ってたんじゃないかな。
そして正治氏自身の「所詮、おれは松下幸之助には敵わない」という僻みを愛おしくも悲しく見ていた気がする。
その僻みが後々の松下電器大政奉還時間に繋がるのだから、血は怖い……。
もっともこの本は、そんなことが書かれている訳もなく。
言わば、松下幸之助信者にとっての「聖書」の気がする。
ただ、聖書なだけに、示唆に富んだ素晴らしい逸話が書かれていることは間違いありません。
なるほどな、と頷く逸話が多数ありました。
特に「質問」に関する下り。
はっ、とさせられました。
出来れば、神様は神様のままで、拝み続けたいものです。
決して、神様を利用する人々が出ないように……と思う今日この頃です。
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カテゴリ:
リーダーシップ
- 感想投稿日 : 2009年1月12日
- 本棚登録日 : 2009年1月12日
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