再読。ディズニーに関する本と言えば、ランドのホスピタリティに言及したものから作品紹介までさまざまだけれど、これは発行元からわかるようにビジネス書。
天才だった弟、ウォルトを支えたロイ・ディズニー伝ともいうべきもの。芸術家にして夢想家であり採算などろくに考えたことのないウォルトのために、芸術が理解できないロイはひたすらマネージメントに奔走し、労働組合と戦い、銀行や大企業との交渉に臨み、オーバーワークで暴走しようとする弟を制止続けます。
よくディズニーに関して揶揄されるのは、その著作権ビジネスに関する厳格さというかえげつなさなんだけれど、これを読むと権利意識がいかに組織の遺伝子として組み込まれたか理由がわかります。そのアニメ家業のスタートから、映画会社に足下を見られ、制作費は支払われない、権利は盗られる、独立しても関連商品の版権を盗もうとするものはいるしパクリはあるし、それでこちらが裕福なら気にも留めないかもしれないけれど、経営は常に赤字で火の車。新スタジオが完成したときに父親が真っ先に気にしたのは、なにかあったらここを売り飛ばせるのかということ。
そりゃあ、そんな調子で何十年も会社を維持していたら、権利は絶対に手放さないという体質が身についても仕方がありません。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ビジネス
- 感想投稿日 : 2012年9月25日
- 読了日 : 2012年9月25日
- 本棚登録日 : 2012年9月25日
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