人工知能と経済の未来 (文春新書)

著者 :
制作 : 井上智洋 
  • 文藝春秋 (2016年7月19日発売)
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 私たちの脳と身体は神経系で複雑につながっており、身体知はそのような総体によって獲得されています。人間は無数の身体感覚を持っており、それがスポーツばかりでなく、学問や芸術、ビジネス、対人サービスにとって必要な技能やひらめきを与えています。ホーキング博士が言うように脳は確かに筋肉ではありませんが、筋肉は脳のように思考に関与しています。
 AIがたとえ人口の身体であるロボットに搭載された倒しても、その身体は生命であるところの人間のものとは異なっています。そうであるならば、そのAI・ロボットは人間が獲得しているような身体知を自ら発見し獲得することはできません。(p.94)

 われわれはもう一度手段より目的を高く評価し、効用よりも善を選ぶことになる。われわれはこの時間、この1日の高潔でじょうずな過ごし方を教示してくれることができる人、物事のなかに直接のよろこびを見出すことができる人、汗して働くことも紡ぐこともしない野の百合のような人を、尊敬するようになる。(ケインズ、p.243)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年6月21日
読了日 : 2018年5月25日
本棚登録日 : 2018年5月25日

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