紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー (角川文庫)

  • KADOKAWA (2020年9月24日発売)
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第2弾。

① ふじさき記念館、館長一成の美濃市行きに同行して百花と友人の莉子は、紙漉きを体験する。

美濃和紙の歴史、千三百年というのに驚き、紙の良さを伝えるだけでなく、和紙を使う文化や習慣自体も復活させなければならないと思う。

和紙の中に秘められた可能性を探り、和紙を今の世の中にふさわしい形で生かすことが、必要だと感じた。

かなり詳しく美濃和紙について書いてあるので、とても勉強になった。
一度、美濃市へ足を運んでみたいと感じた。

② 彫金デザイナーの雫のパッケージのアイデアやディスプレーなど百花の意気込みが、ジンジンと伝わってくるので、応援したくなる場面が盛りだくさん。

ここでは、一成の従兄弟が登場するのだが、彼の嫌味もサラリとかわす一成が男前である。

③ 一成の大学時代のゼミの先輩のお店、新刊と古書の両方を扱うセレクトショップ「文字箱」で記念館のグッズを扱ってもらう。

そこで、百花は亡き父の小説を見る。
これも何かの縁…なのかと思ってしまう。

記念館と文字箱とのコラボで、蝋引きしたペーパーに小説の一部を印刷することを思いつく。
それが、物語ペーパーになる。
この発想と直ぐに実行に移し、自分で見本を作ってみるというのが、とにかく凄い。
おとなしかった百花が、成長したなぁと感じる。
次々とアイデアが、湧いてくるのに、若さなのか…とも思いながら、ますます応援したくなる。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月16日
読了日 : 2022年2月16日
本棚登録日 : 2022年2月16日

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