香港警察東京分室

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  • 小学館 (2023年4月21日発売)
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感想 : 101
5

久しぶりに熱い警察小説を楽しんだ…という感じである。


香港でデモを扇動し、助手殺害で日本に逃亡したキャサリン・ユー元教授を逮捕する目的で捜査にあたるのが[分室メンバー]である。
日本警察5名と香港警察5名が動き出す。

とにかく[分室メンバー]いわゆる組対部特殊共助係が、素晴らしい。
だれが、というよりみんな個性豊かで独特であるが、管理官の水越には好感度が加速してゆくほど。
いちいち言うことに無駄を感じず的確であり、ちょっとおとぼけ具合が実に良い。
仲間たちを信頼しているのは一目瞭然だが、香港警察のメンバーにおいても嫌味なことを言うわけでもなく、各々のことをしっかり見ている。

頭脳戦、心理戦において日本警察か香港警察どちらが上手なのか…と思ってしまうような滑りだしのなか最終的には上手く協力しつつ、強固となっていく過程も見どころがあり、続編を期待してしまう。


最後に頷いてしまうほどの水越のことば〜

「この国の偉い人というのは、一回決めたことは何がなんでも変更しない、間違いだと分かってても変更しない、国民が何人死んでも変更しないという呪いにかかってるわけですね。これがゲームなら魔法の名は『思考停止』とか『責任放棄』とか『集団自決』といったネーミングになるでしょうね」

さらりとすごいことを言う。




読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年7月10日
読了日 : 2023年7月10日
本棚登録日 : 2023年7月10日

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