プロローグの「多崎つくる」の200冊を積み上げたタワーの出現からして、もう私の胸の内から湧き上がるものがある。
完全に本書に引き込まれてしまった。
これは、日本製紙石巻工場が2011年に津波の被害に遭ってから半年復興を目標に希望を捨てずに8号マシンを初稼働するまでの道のり。
本好きには、電子書籍にはないものに魅力を感じるのである。
紙の質感も気になる、触り心地など特に気になる。
そして「めくる」のが良いのである。
読書を体験している痕跡が残るのである。
気になるところに付箋を貼る。
前のページを繰ってみる。
とにかく楽しいのだ。
8号マシンというのは、出版社に知られた存在で数々の文庫を作っている。
みんな色が違っているのにも驚いた。
講談社が若干黄色。角川が赤くて、新潮社がめっちゃ赤。
特に角川の赤は特徴的で、角川オレンジとも言うそうだ。
全く気づかずに読んでいたが、紙についても詳しくなった。
益々、紙に愛着が湧いてくる。
そして困難を極めた復旧に携わった石巻工場の人たちに頭の下がる思いだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年11月29日
- 読了日 : 2021年11月29日
- 本棚登録日 : 2021年11月29日
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