あなたの教室

  • 早川書房 (2022年9月14日発売)
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感想 : 30
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生きている限り知ることのたくさんのうちのひとつにどこかで差別があり、今苦しんでいる人がいること。
自分に何ができようか…。
ただ、どうにかできないものなのかと思っているだけで、動けない自分にもどかしさを感じた。

この物語は、フランス人で教師をしていたレナが、不慮の事故で絶望感の中、旅をしようとインドに来る。
生きる意義もなく、鬱々としているときに海にさらわれて少女に助けられる。
その少女と出会ったことで、満足に学校へも行けず、読み書きすらできずにいることを知り、学校を作る。
その過程もかなり大変ではあるが、それからも苦難はある。
学校へ行き始めたとしても初潮で少女たちの人生は一変する。
十歳や十二歳で、娘を嫁がせて食い扶持を減らそうとするのが、貧しい家庭では普通にある。
夫の家族と同居し、その所有物となり、姑の権威のもとに服従し、日の出から日没まで家事をこなす生活となる。
女であるから、家事労働は当たり前で、「教育はいらない」のである。
これに抵抗できることなく、根強く続いている社会通念にレナたちは、立ち向かう。

学校は、学べるところであり、安心できるところである。
それは、どこの国でもそうであってほしいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月17日
読了日 : 2022年10月17日
本棚登録日 : 2022年10月17日

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