『ななつのこ』で第三回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビューしていることをすっかり忘れていた。
そして、今になって読むこととなった。
物語は、短大に通う入江駒子が書店の新刊本コーナーで表紙に惹かれて手にした『ななつのこ』というタイトルの本を読んだことから始まる。
幻想的な懐かしさを覚える不思議な絵。
それは、7つの短編集で弱虫なはやてという少年が、サナトリウムにいる優しいあやめさんという女性に身近に起こる些細な謎を相談し、鮮やかに推理してもらうという話。
それを読んだ駒子が、作者である佐伯綾乃へファンレターを書くのだが、そのなかで自分の周りに起こった不思議な出来事も追記しているのだ。
驚くことに佐伯綾乃からの返信があり、駒子の不思議な出来事について解明しているのである。
最終話でこれまでの話が伏線であったと明かされるところが凄い。
それまで日常のちょっとしたなぜ⁇にミステリー要素が含まれ、これは童話なのではないな⁈と感じつつ、童話と関連した事件が身の回りで起こり、その謎を作者の佐伯綾乃が、手紙で解決するという…なんとも不思議な体験後に実際、佐伯綾乃の手紙を書いたのは…○○で。
二重にこの不思議感を堪能でき、今までとは違うミステリーを楽しめた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年1月25日
- 読了日 : 2024年1月25日
- 本棚登録日 : 2024年1月25日
みんなの感想をみる