ちょっとレトロな表紙の絵。
手を繋いでいる母娘の娘のほうは、何か気になって触ろうとしている。母は、娘のことをとても大切に思っていて時間も気にせずに待っている様子。
今日のように空気は澄んでいて天気の良い日には、お散歩にはぴったり。
おかあさんと小さな女の子は、玄関の階段をいっぽ、にほとおりて歩き始める。
女の子が立ち止まり「みて」とおかあさんに言うたびにいっしょにゆっくりと見て、ゆっくりと歩く。
そう、表紙の絵は、まるくて白い小石だったんだ。
少しずつ、いっぽ、にほ、さんぽ、…進むたびにいろんなものが目に入り、音も聞こえる。
まるで魔法のように次々とあらわれるものを目にしては立ち止まり、鐘の音に耳をすまし、満足のいくまでさんぽは続き、やっと家の階段まで。
両手をのばして「だっこ」。
いっぱい楽しんで、いっぱいいろんなものを見たから…
おかあさんがいてくれてたから、ずっとそばにいてくれていっしょに見てくれたから…
おかあさん、忘れてないよ、ぎゅっとして…
優しい母の愛情がいっぱい詰まっている。と感じるのは何故だろう。
母娘のことばは、少ないのに絵だけで伝わってくるものがある。
想像力を掻き立てる絵本のよう。
ゆっくりと子どもの歩幅に合わせて散歩すると今まで感じたことのなかった気持ちまでわきあがり、平凡な風景が色鮮やかな別物のようになるんだと。
忙しい日常で家事に追われるけれど、子どもの目線で少しずつ歩けばよかったなと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年2月5日
- 読了日 : 2023年2月5日
- 本棚登録日 : 2023年2月5日
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