まるまるの毬

著者 :
  • 講談社 (2014年6月25日発売)
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江戸麹町の小さな菓子屋「南星屋」は、日替わりで各地の名物の菓子を出し、ちょっとした《行列の出来る店》だった。

主・治兵衛は、武家の出身で、実は、十一代将軍家斉の御落胤であったが、それを隠し、出戻り娘のお永と孫娘のお君と親子三代で店を営み、慎ましく暮らしていた。

治兵衛の弟は、四ツ谷の大刹・相典寺の大僧正・石海。
貧しい身なりで、こっそりと寺を抜けて「南星屋」の菓子を腹一杯食べるのが、何よりの楽しみである。

平戸藩松浦家の門外不出とされるお留め菓子を作ったと奉行所に捕らえられたり

御先手同士の嫡男が、治兵衛の弟子になりたいと言ってきたり

女を作ってお永とお君を捨てた、お永の元亭主が江戸に戻って来たり

平戸藩松浦家の賄方・河路金吾とお君の縁談が決まり、治兵衛の実家に、行儀見習いに行くお君。
そして、その縁談が壊れたり。

自分の幸せより、家族の幸せを願う、心温まる話。
とにかく、読後感が優しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年1月8日
読了日 : 2022年1月8日
本棚登録日 : 2022年1月8日

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