天才の勉強術 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社 (1994年6月17日発売)
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感想 : 23
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「そして『真似』の天才をつくりあげるためにおおいに役立ったのが、六歳のころから二十歳にかけて何回も行われた外国旅行である。当時、生まれ故郷のザルツブルクは音楽の流行の点では後進地域であった。・・・。なにごとにつけ、無からの創造は不可能である。豊富な知識こそ、創造の源泉である。さまざまな音楽に接してゆたかな音楽の泉をたくわえたモーツァルトは、ほんのちょっとした楽想の断片からすばらしい旋律をつくりだすことができたのである。」(p.30)
「なにごとにつけ、無からの創造は不可能である。豊富な知識こそ、創造の源泉である。」(p.30)
現在の「個性化」教育の盲点であろう。創造力のみを伸ばそうと思っても無理である。
「独創性や個性をことさら強調する現代の教育の風潮のなかで忘れられがちなのが、真似をする能力やものごとを鮮明に記憶する能力である。こういった能力を高めるにはどうすればいいかと言えば、たくさん真似をして、たくさん記憶するしかない。ある能力を高めるにはどうすれば言いかといえば、その能力を酷使することである。」(p.169)
これも至言である。教育は調教だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2002
感想投稿日 : 2013年3月9日
読了日 : 2002年9月20日
本棚登録日 : 2013年3月9日

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