収容所群島(6)

  • 復刊ドットコム (2007年5月18日発売)
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感想 : 1
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最終巻ということですが、まとめられてるわけでもなんでもありません。
これは作者も書かれてますが、そうは言うもののとにかく時間との闘いの中でここまでの本ができたのは奇跡に近いと思います。
1900年前半からロシアにある収容所が大粛清の時代にどう熟成されていったのか、という風に読んでいたのですが、この巻でその感想は大間違いだと示されます。群島はこの本が書かれた時(1970年後半)も存在し、一般的に知らされることのないまま今なおそこに収容されている人が何百人(もっとかな)といるそうです。
折しも今週、ロシアの下院選挙で統一ロシアが圧勝したというニュースを聞きまして、暗澹たる気持ちになりました。新聞読んで出てくるナーシとか何とかとか…まるきりこの本に出てくるコムソモールそっくりです。
あれはどうするつもりなのかなあー…いくら民主国家と名乗りを上げてもあれじゃね…
「ロシア民族」というものが持つ業というのも大きいのでしょう。今日の新聞に「ロシア人は強大なものが好き」と書かれていたのですが、帝政時代から今に至るまでなるほどな、と思わせられました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2010年4月25日
読了日 : 2007年12月4日
本棚登録日 : 2007年12月4日

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