先送りできない日本 ”第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21 C 201)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年5月10日発売)
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東日本大震災後の日本が採るべき経済政策について述べた本。円高や国際競争についてわかりやすく解説する。
震災後の円高の原因はアメリカやEUの財政不安から、ドルやユーロが売られ、消去法的に円が買われていることが原因。日本も国債残高は高いが、企業などがそれ以上の資産を所有しているため、まだ財政的に持ち堪えている状況である。
また、国際競争と貿易という枠組みから、今話題のTPPやFTAについても解説する。日本の農家は農水省の保護主義や、自民党の票田であった
農協に補助金という形で守られてきたことに触れ、競争原理を働かせるためにTPPの参加も視野に入れるべきことを述べる。
どうやら池上氏はTPPには肯定的な様子。日本がTPPに参加しなければ日本抜きでのアジア太平洋の貿易・投資ルートが決められること、アメリカとFTAを締結し、自動車や家電の分野で国外向けマーケットを拡大している韓国との競争の観点についても言及している。
TPP賛成派の経産省と反対派の農水省がそれぞれTPP参加時と不参加時のGDPへの影響についての試算も結構極端な条件下で数字を弾き出しているので、そう易々と信用できない。数字だけ見れば、参加した方が良いように思ってしまうが…
とにかく、この本を読んだだけで簡単に「TPPに参加しよう」とか「消費税の増税はやむを得ない」と考えるのは早計だと思った。内容がわかりやすいだけに、特に。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書
- 感想投稿日 : 2011年11月4日
- 読了日 : 2011年11月1日
- 本棚登録日 : 2011年11月4日
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