生きづらさを克服するには、政治を変えるしかない、と主張する若者向けの本。著者のスタンスは左派。内容は自民党(特に小泉政権)の批判が中心。批判の内容そのものはよくあるもので、わかりやすかったが、特に見るべきものは殆どなかった。
興味深い記述を挙げるとすれば「権利(right)」と「特権(privilege)」の相違について。権利は他者の権利を侵害しない範囲で有効なのに対し、特権は他者の権利を押し退けて行使されるというもの。
最近蔓延する「権利だけ主張して義務を果たさない人間が増えている」という言説を、クレーマーやモンスターペアレントの身勝手な主張の内容は権利ではなく特権であることや、自分の生きる権利を主張できず過労死や自殺に追い込まれる人が後を絶たないことを根拠として批判している。
この本を読んで、まず第一に政治においては「声を上げる」ことが必要不可欠であることを痛感した。この本の著者の政治的スタンスは直前に読んだ『奪われる日本』と大きく異なるものの、反小泉という共通点を持っていることには興味深さと一種の救い(?)を感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
新書
- 感想投稿日 : 2011年6月6日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年6月6日
みんなの感想をみる