ある成長できていない人の『それでも』成長できない話し。
面白かったなぁ、この映画。
「残念」で「痛い人」主人公の機微を上手に掬い取って
ストレートながらもちょっと増幅して描いてありました。
「勘違い」の全ては認めたい自分と、認めたくない自分。
それは輝いてる自分と、そうで無い自分。
あのころの私と今の私。
実像と虚像・・・。
主人公の「勘違い」を実践する命名パーティでのシーンが本当に痛い。
一番輝いていた時代の自分を引きずって卒業できない。
都合の良いアドバイスしか耳に入らないものだから
こんなことを仕出かしちゃったって
自分を憧れる冴えないオタクな知り合いに癒しを求め
その妹の羨望の眼差しにだけ希望を見る.
あーあ。
寂しい現状は自分で招いているとわかっていても
それを糧に変わろうと口にするものの
その舌の根も乾かぬうちに
やっぱり自分を正当化する方に流れてしまいました。
彼女はきっとあまり変わらない明日を生きていくんだろうなぁと
思わせる終わり方も正解。
ジェイソン・ライトマン監督の「サンキュースモーキング」をすぐ前に観たが
共通して、裏テーマとか比喩・暗喩などは配さずに
ズバリ!の演出が正解な素直な組み立てをする監督なのだなと感じました。
ここでも絶妙かつ軽妙な人物描写が冴えています。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
洋画
- 感想投稿日 : 2013年2月17日
- 読了日 : 2013年2月17日
- 本棚登録日 : 2013年2月17日
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